起こる可能性がある合併症一覧

二次合併症の変形性膝関節症や半月板損傷が知られている膝靭帯損傷ですが、前十字靭帯再建手術における合併症の心配もいくつかあります。

手術はあまり一般的なものではありませんが興味のある方、もしくは運動中心の活動的な生活を送る方で手術を考えられているケースでは、手術のカウンセリングを受ける前にある程度の知識を取り入れておくと内容がスムーズ理解できます。

出血などの血液異常

内視鏡を使う手術になりますので、開口部も小さく出血のリスクは殆どみられません。

しかし深部静脈血栓症といって下肢静脈に血栓が生じることが心配されます。これは術後に安静を保つため血液の巡りが悪くなる傾向により伴う合併症で、血液中に残存したままになると肺血栓塞栓症に移行して突然死を招く事態もあります。

通常術後の深部静脈血栓症は自然消滅しますが、流動性の悪い血液状態では残りやすくなります。心配のある方は足裏を圧迫して血液循環を促す装置を使用して、血栓ができるのを予防します。

感染症の心配

傷口から細菌が侵入して化膿を起こし、関節内に膿がたまる合併症が僅かですがみられます。最近の手術は洗浄しながら行うので感染症のリスクは随分と低くなりましたが、もしものときを想定して術前に抗生物質を投与し感染症を予防する策をとっています。

手術による痛み

小さな傷口といえども、切開は痛みを伴います。痛みは人によって異なりますので、希望すれば鎮痛剤を処方してくれる医療機関もあります。手術前に痛みが心配な方は医師に相談しておくと良いでしょう。

術後経過の不具合

再建した靭帯はしっかりと定着するには長い方で一年間を有するといいます。術後のリハビリは大事ですが無理をして体を動かすことで治癒に時間がかかったり、せっかく再建した靭帯がまた断裂する合併症の危険も出ます。

しかし、リハビリによるトレーニングは今後の身体活動の可動域を広げる重要な役割を担うものです。自分の膝の状況に応じたリハビリ内容を提案してくれる信頼のおける医療機関をえらぶことが大切です。

末梢神経障害

手術によって稀ですが末梢神経を切断してしまうことがあります。合併症としては患部周辺の感覚がなくなりますが、徐々に改善されていきます。

また、移植する腱を採取しますが、約1年間で再生する間、膝の屈伸がスムーズでない感覚が稀に出る方もいます。

予期せぬ合併症

原因は不明ですが麻酔薬や手術日の体調によって、アレルギー症状が突然出るケースがごく稀にあります。

※手術に際しては事前に担当医師だけではなく、麻酔科医師、リハビリ専属の理学療法士を交えて手術までの対応、術後のケアなどを話し合うオリエンテーションを開く医療機関もあります。できるなら受ける側としてはきちんと内容を把握するためにも、オリエンテーションの場が設けられているとありがたいものです。

もし、無い場合は各担当から十分な説明があるのか確認をとっておくと良いでしょう。術後のトラブルを回避するためにも真摯に対応する医療機関で手術を受けると良いでしょう。